東日本大震災から10年、その時何があったか

どうも。豊です。

私は10年前、福島に行きました。
とても「皆が思ってるのと違う」世界が広がっていたことを思い出します。

「偽善」が「善」を阻む


自分が「良い」と思っている事というのは、果たして「誰にとって」いい事だろうか。

こんな事を考えたことはあるでしょうか。

相手のためを思っても、それが本当に相手のためになる事は稀なのだが、これを知る人というのは意外なほど少ないもの。

これは、キツい言い方をすれば「偽善」と言える。相手にとって「良い」事にはならないから、偽物と言えるのです。


震災の際の「支援」というのは、被災者側から見ると、これが現実で浮き彫りになりました。

例えば、何も整理せず、いろんな「不要物」を被災地に送る個人は非常に多くありました。

でも考えてみて下さい。
知らない人が着ていた、洗濯していない衣服をあなたは着れますか?
そこに一緒に入れた腐ったバナナを食べられますか?

中に使えるものがあっても、それを誰に渡すのか。必要なものが必要なのは何百何千何万人といるわけです。その中の誰か一人に渡せば、よく思わない人も出てきますし、争いの種になってしまいます。

つまり、

使えるものの仕分けは誰がするのか。必要な人を見分けるのは誰がするのか。そして、必要なところに誰が届けるのか。

これをするのは皆、「被災者」なのですよね。
誰かがやってくれるわけでは無いんです。

特に東日本大震災の時は、こういった「良かれと思って」やった行動というのが、逆に手間を増やし、ゴミを増やし、リスクを増やし、本当に必要な支援、「善」を阻害してしまったわけです。


受け取る側の「偽善」


そして、それは受け取る側も同じ事が言えます。

災害時などは、必要なものが必要になってからでは手遅れになるのですが、これが感覚出来ない。

被災地というのはかならず、先ほどまではいつもと変わらぬ「日常」だったから。

例えば、水がなくなっても、いつもは水道の蛇口をひねれば水が出ている。だから、水がなくなっても、「どこかにはあるだろう」と思ってしまう。

実際東日本大震災の時は、水道は広範囲で止まり、出ても飲めるか分からない。ペットボトルなどの水は一気に消費されるのであっという間に無くなってしまったわけです。

水道の復旧には数週間から数ヶ月かかるのだけど、それもいつになるか分からない。そして、人間は水がなければおよそ72時間で死に至るわけですが、このどれもが先ほどまでの「日常」からは、誰も想像出来ないわけです。

もし、怪我をしても、救急車が走れない、病院が機能しない、医師が足りない、必要な医療品が足りない、道が無い、そして医師や看護師達も帰る家が無い。

これらが「なくなっている」事に気がつくのは、これを目で見て知る時なんですね。

それまでは、「怪我」してもなんとかなると思ってしまう。

でも、手当が遅れれば少しの切り傷でも感染症を起こし、簡単に人は死んでしまう事を、道端で苦しみ亡くなる人を見てみぬフリしかできない経験がなければ、わからない。

わからなければ、この重要さがわからないので「いらないんじゃないか」と、与えられても「拒否」してしまう。

特に、日頃現場にいない偉い人や、リスクに晒されることのない主婦などは、この判断を間違えてしまい、事前に与えられ拒否した事も忘れ、「なくなってから」慌てふためいたわけです。

つまり、
結果として被災者にとっては、日常の「平和」という「良さ」が仇となるわけです。

「平和」なほど、これがなくなることを想像出来なくさせ、必要な「善」を「拒否」してしまった。

結果として、「水」「電気」「燃料」「家」「食料」この全てが、出す側、受け取る側とも、最適なタイミングを逸してしまった。

これが現実に起きた事であって、

この部分の「知識と経験の不足」が、大いに「支援」をおかしなものにしていったわけです。

優しさを「偽善」にしないために


では、平和は悪なのでしょうか。
また、良かれと思って行動することは悪なのでしょうか。

それは違います。

ただ、「知識と経験が足りない」だけなんですね。

私たちは普段、どれだけインフラに守られているか、そして、それがなかった時代にどのように人は生きていたか。

これは誰でも学ぶ事が出来ます。

そして災害時でなくとも、キャンプ等アウトドアに挑戦すると、インフラなどに「守られない」時、どうなるかなどの体験は、

誰でも、楽しみながらする事ができます。

ただ、それが「必要になってから」では遅いんです。
優しさを「偽善」にしないために、今からできる事をやっていきませんか?


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